info@はどう作る?共有メールボックス・エイリアス・配布グループの選び方
会社の代表メールを一人で受けるか、複数人で対応するかに合わせて方式を比較。権限とライセンス、差出人、送信済みメール、引継ぎの確認事項を解説します。
公開仕様と一般的な業務上の確認事項を基に整理したガイドです。本文の例は説明用に作成し、個別の顧客や個人を特定する情報は掲載していません。
一人の受信先に別名を付けるならエイリアス、複数人へ配るなら配布グループ、同じ受信箱で対応するなら共有メールボックスが候補です。読む権限と送る権限は分けて確認します。
会社の代表アドレスを作る時、「info@を一つ作れば、みんなで使える」と考えがちです。しかし、同じように見えるアドレスでも、メールを一人の受信箱へ届けるか、複数人へ配るか、共通の受信箱へ置くかで運用が変わります。
先に決めたいのは、誰が読み、誰の名前で返信し、対応履歴をどこへ残すかです。この記事では法人向けMicrosoft 365のExchange Onlineを対象に、三つの方式を公式資料から整理します。内容は調査・設計であり、導入実績の紹介ではありません。仕様の確認日は2026年10月15日です。
三つの方式を短く説明すると
メールボックスはメールを保存する場所です。エイリアスは、その場所へ届く別のメールアドレスを追加する仕組みです。例えば、架空の担当者の受信箱にinfo@example.comという別名を付けても、独立した受信箱が増えるわけではありません。Microsoft公式:メールのエイリアス
配布グループは、届いたメールを登録メンバーへ配る宛先です。共有メールボックスは、複数の担当者が同じメールボックスを利用する仕組みです。Microsoftも、会社の案内窓口やサポート用のように複数人で扱う用途として共有メールボックスを案内しています。Microsoft公式:グループの種類と共有メールボックス
| 方式 | メールの置き場所 | 主に合う用途 |
|---|---|---|
| エイリアス | 元の利用者のメールボックス | 一人が複数の窓口名で受信する |
| 配布グループ | 各メンバーの受信箱へ配布 | 全員への通知や情報共有 |
| 共有メールボックス | 担当者が利用する共通のメールボックス | 同じ窓口で受信・返信を分担する |
この表は選定の入口です。アドレスの名前がinfo@だから自動的に共同対応向きになるわけではありません。
一人で受けるならエイリアス
担当者が一人で、個人用と問い合わせ用を同じ受信箱で管理してよいなら、エイリアスが候補になります。別名の追加に追加ライセンスは不要ですが、元の利用者のメール環境は必要です。また、返信時の差出人はOutlookの種類や組織の設定に関係するため、追加しただけで常にinfo@から返信できると考えず、実際に使うアプリで確認します。Microsoft公式:エイリアスの費用と差出人
担当者の交代時に受信履歴を分離したい、複数人で同じ問い合わせを扱いたい場合は、個人の受信箱へ集める運用が負担になることがあります。将来の担当者まで含めて選びましょう。
全員へ知らせるなら配布グループ
同じ案内を複数のメンバーへ届けたい時に向いています。社外からのメールを受ける場合は、外部の送信者を許可する設定も確認します。グループを作っただけで外部から受信できると決めず、管理者が設定を確認し、承認したテスト用アドレスから送信します。Microsoft公式:配布グループの用途
一方で、各自へ配るだけでは「誰が返信したか」「未対応が残っているか」を一か所で管理する運用にはなりません。問い合わせ窓口に使うなら、担当割り当てや返信履歴を別途管理する必要があります。複数人が同時に返信してしまう場合は、共有メールボックスなどを検討します。
複数人で対応するなら共有メールボックス
担当者はそれぞれ自分のアカウントでサインインし、与えられた権限で共通の受信箱を使います。共有メールボックス自身のアカウントで直接サインインする使い方は想定されていません。Microsoftはそのサインインをブロックしたままにするよう案内しています。共通パスワードや管理者アカウントを配る方法で運用しないでください。また、組織外の個人用メールアカウントへ、そのまま共有メールボックスの利用権限を付けることはできません。Microsoft公式:共有メールボックスへのアクセス
読めることと送れることを分ける
- フルアクセス:メールを読む、変更する、削除するなどの操作ができる
- Send As:共有メールボックスの名前を差出人として送信する
- Send on Behalf:担当者が共有メールボックスの代理で送ったことを示す
フルアクセスだけでは、そのメールボックスとして送信できません。逆に、Send Asだけで受信内容を読めるようになるわけでもありません。「閲覧だけ」のつもりでフルアクセスを与えると、削除などもできる点に注意が必要です。担当者の仕事に必要な権限を管理者と確認します。Microsoft公式:メールボックスの権限
共有メールボックスのライセンスと利用者のライセンス
通常、共有メールボックス自体は50GBまで個別のライセンスなしで利用できます。ただし、アクセスする担当者にはライセンスのあるExchange Onlineメールボックスが必要です。容量の拡張やアーカイブ、保持などの機能は別途ライセンス条件が関わるため、「共有だから全員無料」とは考えず、必要な機能ごとに契約を確認します。Microsoft公式:容量とライセンスの条件
導入前から動作確認までの手順
- 今のinfo@が何に設定されているかを管理者に確認する
- 読む人、返信する人、権限を管理する人を決める
- 必要な履歴、容量、外部からの受信、差出人の条件を整理する
- 責任者が方式と権限を承認してから設定する
- テストメールを送受信し、履歴の見え方を担当者同士で確認する
- 担当者が変わった時の権限削除と引継ぎ手順を残す
既存のアドレスを移す場合は、現在のメールや設定を確認せず削除しないでください。切り替え時間、過去メールの扱い、失敗時の戻し方が不明なら、そこで作業を止めて管理者に相談します。
共有メールボックスでは、送信済みメールが既定で送信者個人のフォルダーに保存される場合があるため、共通の送信済みフォルダーにも残す設定を確認します。受信だけでなく、別の担当者が返信履歴を見られるかまでがテストです。Microsoft公式:共有メールボックスの送信済みメール
選んだ後のチェックリスト
- 外部から送ったテストメールを受け取れる
- 相手に見える差出人が意図した表示になっている
- 必要な担当者が受信・返信履歴を確認できる
- 担当者の交代時に個別の権限を外せる
- 未対応を確認する人と確認頻度が決まっている
厳密な担当割り当て、対応期限の管理、複数部署への引継ぎが必要なら、共有メールボックスだけで十分かを再検討します。問い合わせ管理システムを含めて選ぶ方がよい場合もあります。
受付通知も必要なら、問い合わせ自動返信の設計とテストを併せて確認してください。社内で共同対応するために、外部アドレスへの転送を当然の前提にする必要はありません。
参考にした公式資料
確認日:2026年10月15日。ライセンス条件と画面名は変更される場合があります。
